あらすじ…6人の男たちが南極到達不能点を目指して歩みを進めていた。ある日彼らは80年前に遭難したイギリス探検隊によって書かれた日誌を発見する。そこに描かれた絵が自分達に似ているとおぼろげに思ったもののあまり気に留めずにそれを持ち帰ることに。しかしその後日誌に導かれるかのように不思議な出来事が次々と起こり始める。2人の隊員を失い救助サインを出すべきだという声が上がり始めTメンバー達の調和も乱れ始めた。隊長のドヒョン(ソン・ガンホ)が強引に目的地を目指すことを主張する。それぞれの胸のわだかまりを残して疑心暗鬼のまま進んでゆく中、ドヒョンがしだいに奇怪な行動を取り始める。
零下80度の極寒。ブリザードが吹き荒れ、昼と夜が終わることなく6カ月ごとに継続する南極。 過去にたった1度だけソ連が達成したとされる南極到達不能地点を目指すメンバー。
1度南極探検を失敗したドヒョン隊長でしたが、地図担当、医療担当や、通信担当、食事担当とそれぞれの者がドヒョンに尊敬心をもって今回の探検に参加しています。 40日掛けて1000キロを走破し、順調に思えた探検でしたが 南極の雪に埋もれたイギリス隊の日誌を見つけてから、 何故だか不吉な出来事が起こり始めるのでした。 突然底無しの穴に落ちたり、ビデオには白い手が映りこみ、 ウィルスの無い南極で風邪に似た症状を発生し寝込む者も出てくるのでした。
今はずっと昼が続いているけれど、あと数日で日没が訪れ、 そこから先は真っ暗な闇が続きます。 日没までに南極到達不能点に着かなければならないので隊長は焦ります・・・。
南極探検の厳しさ、その極限の世界が映像に良く出ていて 思ったよりは緊迫感を持ったまま最後はどうなるのだろうという思いで見届けられました。 ただし、日誌とそれらが関連しているかというと疑問です。 イギリス探検隊の日誌とドヒョン達のパーティーが同じような運命を辿っていく不可解さを表現したかったのかもしれませんが、 なにしろ日誌の内容には殆ど触れていないので、 果たして彼らが同じような運命に遭遇しているのかと言う奇怪さは伝わってきません。
またドヒョンが南極探検を一度失敗してから家庭が崩壊したという点は面白く、その後のストーリーに反映してくるのかと期待したのですが、 オカルトチックに描かれてしまった為に ドヒョンの心の闇を表現するには至りませんでした。
ちょっと良くわからない映像表現が多く、 山小屋は2つあったのか?とか、 最後は実際誰が生き残ったのか?とか、 到達不能点は本当にあったのか?と考えて込んでしまいました。
極限の精神状態の狂気さを描くという魅力はあったのに、 タイトルになった「南極日誌」そのものが中途半端さを出してしまうことになったのは残念でした。 もっと人間ドラマとしていい作品になる要素が充分あっただけに 「変わったものを作ろう」と意気込んでしまったのが勿体無いです。

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