ai~ずRoom
映画の鑑賞とトールペインティングの作品の記録。 そしてささやかな日常日記。
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  • 映画大好き♪
    特にサスペンス、ホラーが好みですが、社会派、戦争物、感動物、ジャンルは問いません。
    旧作、新作に関わらずいい作品と出逢いたくアンテナ張っています。
    お気に入りの一本、是非是非教えてください。

    映画の話で盛り上がりましょう~♪


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「戦場のピアニスト」
あらすじ…1939年、ナチス・ドイツがポーランドへ侵攻。そしてその翌年ユダヤ系ポーランド人で、ピアニストとして活躍していたウワディク・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は強制的にゲットーと呼ばれるユダヤ人居住区に家族と共に移住する。ゲットー内のカフェでピアニストそしてわずかな生活費を稼ぐも42年にはシュピルマン一家を含む大勢のユダヤ人が収容所へ送られることに。しかしウワディク一人が収容所へ連れられる人々の列から外れる。家族と離れ離れになるものの収容所行きを免れたウワディクは、その後戦火を必死に生き延びようとする。

実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンが戦火を奇跡的に生き延びた、その実体験に基づく作品です。
第55回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞、2002年アカデミー賞主演男優賞を受賞したのは有名な所ですし、
イギリスアカデミー賞、全米批評家協会賞、など主要映画賞を数多く受賞したこの大作、
150分の長編ということだけでなかなか観る機会を逸してしまっていました。

先日「ジャケット」を見た事でエイドリアン・ブロディの演技力に惚れ込み、彼の一番の出世作を見逃しているわけにはいかないなと
今頃になってですが観賞しました。
素晴らしい作品でした。

ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺は数多く取り上げられていますが、
どんな作品を観ても凄まじく、なんの意味も無く殺されていく様子は恐ろしい。
「戦場のピアニスト」でもその顔をそむけたくなる場面が多く凄惨でした。
けれど、それは作り物ではなく、自身もゲットーで過ごしたというロマン・ポランスキー監督の過酷な体験による、見てきた風景そのものだったようです。
何も過剰な演出をする必要もないほどあれが「ありのまま」なのでしょう。

ピアニストというひ弱そうな男が、戦火の中逃げ惑い、
1人隠れ、戦争が終わる事を待ち続けた・・それはただただ「生きる事」を渇望する男の姿でした。
彼に特別人より強い何かが備わっていたわけではありません。
けれどドイツ将校が言いました。
「死ぬも生かされるも神のご意思だ。」と。
彼は神に生かされる人物だったのですね。

ブロディはやはり情感を表現する事に長けた役者さんです。
全編決して多いとは言えない台詞です。
けれど、かれが演じる一つ一つの動作、ひとつひとつの表情が色々な事を物語るのです。
彼はそこにリアルな世界を作りあげます。
画面の中は間違いなく戦火でした。

長編でしたが実際に観賞すると時間を感じさせず、あの世界に放り込まれた気分でした。
時代背景が詳細に描かれているし、シュピルマンの情感もとても繊細に描き込まれていて、長い作品になったことには納得が行きます。

作品そのものが秀逸なので、この作品にエイドリアン・ブロディが主役を張れたことは幸運だったかもしれません。
それでも、作品を更に高めたのはエイドリアン・ブロディの演技力だったと、誰しもが言葉を惜しまず語るに違いありません。

戦争の生々しさをそのままに伝えたことだけがこの作品の評価に繋がったわけではありません。
彼を救おうと手を差し延べた人達の無償の愛も伝えたかったのだろうし、命ある事の尊さをピアニストの調べに乗せて優しく問いたかったのだと思います。
そう・・優しく・・。

権威ある賞を獲った作品はやっぱり素晴らしかった!

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「大いなる休暇」
あらすじ…カナダ、ケベック州のサントマリ・ラモデルヌ島。人口125人のこの島は、かつて漁業で栄えていた。しかし8年前から漁場も廃れ今では島民のほとんどが失業手当に頼る生活を余儀なくされていた。月末になると生活保護の通知を受け取る為に郵便局に並び、それを換金する為に銀行にまたぞろぞろと並ぶのだった。そんなある日、この島に工場誘致の話が舞い込む。しかし医師が在中いることが絶対条件。島に今医師はいない。折良く島に青年外科医師クリストファーが1ヵ月だけ滞在することになった。そのまま定住したくなるよう、島民があの手この手でクリストファーをダマそうとうと一致団結する。

医師の好みを引き出す為に家に盗聴器を取り付け、
ストロガノフが好きとなればレストランのメニューに即座に入れます。
ジャズが好きだと言えば、音楽が好きだと言うだけで1人の男が大嫌いなジャンルなのにのジャズ仲間に仕立て上げられます。
毎日小銭を落としておき、
知りもしないクロケットのチームを作る・・・

一方、工場には別の町から誘致のオファーがきており、
多額な誘致金額を提示していました。
しかも200人以下の町には行かないと・・。

この2つの事をクリアする為にそれはもう涙ぐましいばかりの団結力で島民達は頑張るのでした。

とても面白い作品でした。
クリケットチームを即興で作り、青年医師の興味をそそったものの、
医師が試合が見たいと言い出します。
間近まで来られてはルールも何も知らない事がバレてしまいます。
それは大変と固まってしまう島民たち。
そこでひらめく窮地を脱するアイデアが大笑いでした。
うまいな~
そんな笑いがいっぱいでした。

島民達は働く為に必死に人を騙すのです。
その案に誰も真っ向から反対できるわけがありません。作品の背景にあるのは8年も仕事が無く生活苦なことや、医師がずっといないと言うとても重い現実です。小さな島はみんなそうなんだと・・。
コミカルに描いていますが、ところどころのシーンでその苦悩が感じられました。

この作品はそんな現実の重さとは裏腹な、気持ちのやさしい島民達による騙しのテクニックが見所です。
一緒に困惑したり、ハラハラしたり、罪の意識にさいなまれたり、
自分も島民の1人になってしまうのです。

青年医師が念願の島の医師になる事を申し出てくれた後の展開は
だいたい見当が付きましたが、
とてもほのぼのした終わり方で、カナダ映画らしい大らかさを感じます。
そう・・この作品、カナダ映画なのに全編を通して使われる言葉はフランス語なんですよね。
この意図は良くわかりませんでしたが、あのフランス語のホワッとした言葉の流れが雰囲気にとてもあっていて、
まったく違和感を感じませんでしたし、むしろ温かみがあって良かったなと思います。

公開時、話題作ではありませんでしたが、
ティータイムにホッとしながらのんびり観賞したい・・なかなかの拾い物の作品です。

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公式サイト  http://www.crest-inter.co.jp/oinarukyuka/
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「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」
あらすじ…JRは音楽と兄の事が大好きな少年だった。その兄が不慮の事故で死亡。父親に「お前の方が死ねばよかった」と言われそれ以来家族とギクシャクする。空軍に入隊し名前をジョニー・キャッシュ(ホアキン・フェニックス)と改名。その後交際期間は短かったがヴィヴィアンと結婚。セールスマンをしながら生計を立てていた。好きな音楽を諦められず強引にオーディションを受け、軍隊時代に作った歌で合格、一躍スターになる。そして巡業先でジューン(リース・ウィザースプーン)と運命的に出会う。ジョニーはジューンを追い求めるがその距離は縮まらず、ジョニーはドラッグに溺れていく。

ロカビリー(カントリー?)は殆ど聞かなかった世代です。
観る前はそのロカビリーの世界観にはいれるか気になる所ではありました。
けれど実在した歌手のジョニー・キャッシュの伝記であること、
2005年アカデミー賞でホアキン・フェニックスが主演男優賞にノミネート、リース・ウィザースプーンが最優秀主演女優賞を受賞している事から観賞しました。

不遇な少年時代を経て、結婚、成功、挫折、真実の愛を掴む・・このステップは伝記としては決して目新しいものではなく、
ストーリーに感動的な余韻を残すものではなったです。
ジョニーがジューンに運命的な愛を感じたとしても、
彼は自分の家庭を「身勝手な愛」で壊してしまった。
そこには女性的価値観で見た場合、やっぱりジョニーに対して自分本位な生き方を感じてしまいます。
事実に添おうとしたためなのかもしれませんが、純愛を感じさせる美しい愛の描き方では無かったように思います。

12歳の頃、大好きな兄を失い、父親からは精神的に見捨てられ心の傷を持ちましたが、
その後の展開で父親としっかり対峙することがなかったのが残念です。
お互いあやふやな気持ちのままラストの穏やかな休日の風景になってしまうのはちょっと説得力に欠けました。

けれど、この作品、
観る映画というより『聴く』映画。
ロカビリーーのアップテンポなリズムには気分が高揚してきました。
ホアキン・フェニックスもうまいと思いましたが
リース・ウィザースプーンがいい声で、
この歌声を聴くだけでも一見の価値ありです。
ドゥエットする「ジャクソン」はそのままレコード化したら
今でもヒットするんじゃないでしょうか。
あたしはとても気に入りました。

音楽的作品が権威ある映画祭で主要な賞を獲得する事はかんたんな事では無いと思います。
それだけホアキンとリーズの演技と歌唱力が認められたと言う事ですね。
そんなことを感じながら観たい作品です。

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公式サイト  http://www.foxjapan.com/movies/walktheline/
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「ダーク・ウォーター」
あらすじ…ダリア(ジェニファー・コネリー)は離婚調停中で最愛の娘セシリア(アリエル・ゲイド)の親権を得るために早急に済む場所を見つけなければならなかった。やっとルーズベルト島の古びたアパートを見つける。部屋を検分中にセシリアの姿が消える。見つけたのは大きな水貯めタンクがある屋上。その時セシリアはピンクのキティバックを手に持っていた。引越しを決め新生活を始めたダリアとセシリア。しかし、部屋の天井に広がる黒い染みや、奇妙な水の事故、階上から聞こえる足音に不安を感じ始める。一方セシリアは学校の友達ではない少女の名前を口にするようになり・・。

「仄暗い水の底から」のリメイクです。
丁度この時期、「呪怨」や「リング」と、立て続けにジャパニーズ・ホラーのリメイクが続きましたね。

オリジナルにあたる、「仄暗い水の底から」は観ていませんので、
比較できない分、素直に本作を観賞できたように思います。
オリジナルも怖くないと聞いており、
「ダーク・ウォーター」に関しても怖さはもともと期待していませんでした。
やはり怖くは無かったのですが、
「親に愛されている娘と、親に捨てられた娘」
「母ダリアが持つ、彼女自身の親との因果関係」
それらがわりとしっかりと描かれていたので、怖さを求めなくても
作品として意外に楽しめました。

ダリアは自分も母親に愛されていなかったので、
少女の亡霊の寂しさが否応にもわかってしまいます。
少女の亡霊の家族関係だけでなく、ダリアの家族にも歪みがあった・・
だから怖いという感情だけでも、
娘を守りたいだけでもないところでダリアが選んだ選択があり、
その表現があってこそこの作品は活きています。
そこに好感が持てました。

強いて言えば、亡霊少女の家族生活の再現映像がもう少しあって欲しかったかなと思う事と、ダリアが何故母親に憎まれたのかの説明も加えられていると良かったです。

ホラー作品としては怖さ的に確かに物足りないし、
怖さを求めてしまってはがっかりなのかもしれませんが、
作品的には怖さをあおっただけの「JUON」よりも良かったです。

ラストがオリジナルと違うらしいので、逆バージョンで今度「仄暗い水の底から」を観賞してみようと思います。

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公式サイト  http://www.darkwater.jp/
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「CUBE ZERO」
あらすじ…レインズが目覚めると、そこには同じく囚われの身となっていた男女がいた。彼らと同様レインズもまた記憶を無くしていたが娘の存在だけは覚えている。殺人トラップが仕掛けられた立方体から脱出を試みる男女。そして犠牲者がまた出てしまう。そんな被験者の様子を観察する職員のウィンとドッド。ある日被験者の女性レインズに興味を持ったウィンは、彼女に実験の同意書が無い事に気付く。ウィンは、レインズを救出するため自らもCUBEに侵入するが……。

ホラーファンなら第1作の「CUBE」のファンは多いでしょう。
自分もその1人です。
低予算ながら、斬新なシチュエーションと、殺人トラップの恐怖感は見事でした。

しかし続編「CUBE2」は映像的にもストーリー展開にしても
無理をしている感じで面白みは激減してしまいました。

今回も自分としては物足りません。
殺人トラップはシーンはそこそこ見せてくれたとは思います。
けれど1作目「CUBE」の面白さは
<どうしてこんなところに放り込まれたのか>、
<誰が仕掛けているのか>
<目的は?>
そういうわけもわからない『不条理な世界』があってこそ面白かったのです。
「CUBE ZERO」では監視室、しかもそれを監視している普通(?)の人が出てきてしまい、
生身の人間の存在を見せてしまった事が最大の失敗だと思います。

「無機質な空間」という冷たいものと、仕掛けている「人間の罪悪感」という温度を感じさせるものは正反対のものであり、
融合させてしまおうとした事に無理があります。
誰が何の為にしているのかわからず、CUBEに放り込まれたもの達が
必死に脱出の糸口を探す・・・
そこに他の理由の解明は要らなかったのでは。

なんだかこじつけたものを感じてしまいました。

<以下ネタバレ>

ラストを見た感じでは第1作に繋がっているようで、
知的障害なんだけど数学的知能に優れていた男性が確かにいた!と気付きました。
でも役者が違いませんか??
1作に繋げるならば、何故同じ役者を使わなかったのでしょう。
ネタバレになる事を畏れたからだとしてもすごく不自然です。
1作の彼を身奇麗にしたら結構気付かなかったと思えるのですが。

2匹目、3匹目のどじょうは狙わず潔く最初で終わっていて欲しかったです。

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公式サイト  http://www.cube-zero.jp/
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「悪魔の棲む家」(2005年)
あらすじ…1974年11月13日午前3時15分、ロングアイランドのアミティヴィル。雨の夜、とある屋敷で、一家の長男が両親と弟妹を惨殺するという事件が起こった。逮捕された長男は“家が命じた"という謎の言葉を残す。1年後、ジョージ(ライアン・レイノルズ)とキャシー(メリッサ・ジョージ)が子供たちとの暮らしのために、破格の値が付けられたこの大邸宅を購入。引っ越し直後から、ジョージには家の中に謎の囁き声が響き、娘はクローゼットの少女と話をしていると言い始める。そして徐々にジョージの様子がおかしくなり始め・・
1979年に大ヒットした同名作品のリメイクです。

オリジナルから殆ど路線は変えず、純粋なリメイク作です。
もともと実話を元にしているので大幅な変更はできないとは言えますが。
26年の歳月でまた新鮮に観ることが出来ました。
映像はよりリアル感と恐怖感を増していますし、今回はジョージ役ライアン・レイノルズがいい演技をしています。
家に取り付いている怨念が徐々にジョージを狂気に追い込んでいくのですが、日が経つに連れて少しずつ常軌を逸していく姿がうまく出ていました。

この作品を怖いと思わせるのは、出てくる怨霊の姿ではなく、
この常軌を逸していくジョージの変貌ぶりなのです。
なので、彼の演技が非常にこの作品の良し悪しを決めます。
その大役をライアン・レイノルズはしっかり果たしました。

1979年のオリジナル版では、ジョージはラスト近く斧を離すと狂気が消え、家から逃れようとするのですが、
今回は家族に連れ出され、家から離れるまでその狂気は続きます。
一度狂気に落ち入ってしまった以上家の中にいるのに正気に戻るのは不自然であり、本作の描き方の方が納得のいく流れでしょう。

せっかくのリメイクなのだから「キャッチャム」という人物に絡む事件をもっと調査した上で、
この昔に起こった先住民虐殺事件の真相とキャッチャムの人物像を掘り下げて作っていたら、
ただのリメイクにならずに済んだかなと感じます。

実話だと言う点で、ストーリー展開の意外性や細やかさに欠ける点はあるにせよ、
1年前の事件である惨殺事件のオープニングと
28日目はなかなかゾクっとくる出来になっていました。

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公式サイト  http://www.foxjapan.com/movies/amityville/index2.html
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「ユニコーン・キラー」
あらすじ…1977年、ホリー(ナオミ・ワッツ)はヒッピーの教祖的存在であるアイラ・アインホーン(ケヴィン・アンダーソン)に声をかけられたちまち2人は恋人同士の仲になった。
しかしホリーはアイラのはき違えた「自由」の精神に次第に愛想を尽かして別れを切り出すが、アイラはそれを許さなかった。豹変するアイラの元をなかなか離れられなかったホリーだったがある日別れを決意。「別れを告げる」と言ってアイラの元へ行くがその日からホリーが失踪する。ホリーを探す家族達はアイラが「ホリーを殺したのでは?」と疑り始めるが、彼は街の有名人。警察連中にも顔が利く為になかなか証拠を掴めない。
やっと家宅捜査にこぎつけて、ホリーの死体を発見するが・
・・。

劇場未公開作品です。

始めは優しい恋人アイラの人間性が次第に見え始め、
別れを切り出した途端凶暴性を向き出しにします。
そして殺人事件へと発展していくのですが、
それはあくまでも仮定の状態で進んで行きます。
死体はアイラの部屋で見つかるものの有罪に繋がる確証がありません。
そしてアイラは釈放され海外へ逃亡。
フランスとの法の違いから問題がさらに悪化します。

パッケージから受けるイメージほどスリリングな展開ではありません。
実話らしく、どこかドキュメンタリー的な描き方で
アイラを犯人とする確証そのものも提示している感じではないです。
どちらかというと客観的に得られる<事実関係の提示>。

アイラの家を家宅捜査する為に一苦労するものの、
礼状を取るにいたった経緯が無く、おもむろに踏み込む場面になってしまうし、元の恋人の証言で「犯人に間違い無さそうだ」とういう見解。
どうもその展開にはしっくりきません。
確かに嫌なヤツなんだけど、
犯人とする決めてを見せないままでは中途半端な描き方です。

前半はホリーとアイラの関係を描き、
後半は家族・警察とアイラの抗争といった趣きで単調な起承転結。
家族の苦悩も、警察の憤りと執念も、国家間の衝突も
どれもみんな薄くてパッとせず長い年月の時間も感じられませんでした。

劇場公開されなくて正解の作品。

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「ジャケット」
あらすじ…1991年、湾岸戦争に従軍したアメリカ人兵士ジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)は頭に銃弾を受けるが、奇跡的に一命を取り留め、1年後の1992年故郷の町ヴァーモントに帰ってくる。ヒッチハイクで旅するジャックは車の故障で立ち往生している母、ジーン(ケリー・リンチ)と娘のジャッキーと遭遇。故障を直し、自分のドッグ・タグ(認識票)を幼いその娘にプレゼントした。
母娘と別れてまもなくカナダ国境に向かう若者の車に乗せてもらったジャックだったが、警察官射殺事件に巻き込まれ容疑者として捕まり、精神病院に入れられる。そこでジャックはある矯正治療を受けるのだが・・。


同じ日に公開された話題作「ダ・ヴィンチ・コード」を横目に、この作品の方が観たくてこちらを優先しました。

ジャックは頭に傷を負ったことから記憶障害の後遺症をもってしまいます。
警察官殺害の容疑者にされても、その時の事をはっきりと思い出せません。
逮捕の代わりの入院させられた精神病院でジャックは矯正治療の名目の元、わけもわからず拘束衣を着せられ、死体安置所の引き出しの暗闇に押し込められてしまいます。
その暗闇で15年後にタイムスリップし、
2007年のジャッキーと出会うのでした。
そこで自分が1993年1月1日に死亡する事を知ったジャッキーは
その死の原因を1992年と2007年を行き来しながら解き明かそうとするのです。

タイム・トリップサスペンスです。
もうアイデアも出尽くしたと思えるタイムトリップものですが、
「ジャケット」には他にはない時間の重みが感じられます。
それは何よりエイドリアン・ブロディの雰囲気と演技が作り出したものと言っても過言では無いでしょう。
彼が見せる儚さと優しさはこの作品の全編を通してハマリ、
この役は彼でないとダメとすら感じる程でした。
たぶん、彼以外の人が演じたら薄いサスエンス映画に終わってしまったはず。

サスペンスのジャンルながらも、ハラハラする展開という訳ではなく、
タイム・スリップを繰り返しながら知った事実を現世に返って修復する。
未来によって過去の事実がわかり、過去を修復して未来が希望に照らされる・・観終わった後ハートウォーミングになるサスペンスと言う点で異色かもしれません。

ラストのエイドリアン・ブロディの表情が実にいいです。
言葉少ななのに物語る表情です。

よくよく考えると疑問に思えてしまう部分もあるのですが、
<変えられない運命>と<変えられる運命>
その表現は良かったと思います。

ジョージ・クルーニー、スティーヴン・ソダーバーグという大物製作陣のアピールよりも、
エイドリアン・ブロディの深い演技をアピールしたいです。 

エイドリアン・ブロディの演技が
「ダ・ヴィンチ・コード」の陰に埋もれてしまうのは何とも惜しい限りです。

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公式サイト  http://www.jacket-movie.jp/

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「ポセイドン」
あらすじ…大みそかの夜。北大西洋を航海中の豪華客船ポセイドン号ではパーティーが始まっていた。世界最高の客船のひとつであるポセイドン号は、高さが20階を超え、客室800、パッセンジャー・デッキ13を備える。ダンスホールでは年越しパーティーで多くの着飾った乗客が集っていた。
新年を迎えた直後、50メートル近くありそうな巨大な波”ローグ・ウェーブ(異常波浪)”が船に向かってくる。船長は致命的な打撃をかわそうと必死に舵をとるが、すでに遅すぎた。巨大波に衝突した船は一瞬のうちに逆さまになってしまう!


「ポセイドン・アドベンチャー」の34年ぶりのリメイクです。
最先端のCG映像技術が海洋パニック映画をここまで迫力ある作品に仕立てました。

巨大な高波の激突で一瞬のうちに180度逆さまに転覆した「ポセイドン号」。
4000人以上いた乗客はたちまち数百人になってしまいます。
遮断できるホールに集まり救助を待つことを船長が宣言するのですが、
そのうちの数人が船内の脱出を試みてホールから出るのでした。

元NY市長、その娘と恋人、密航の女、バツイチの女とその息子、ギャンブラー、ポセイドン号のウエイター、賭事師、自殺志願の老紳士。
助けるのか見捨てるのか、
その扉を開けるのか開けないのか、
誰がその先の道をつくるのか、ギリギリの選択を次から次へと迫られます。

パニック映画としてこの作品の完成度は高いです。
どちらかと言えば人間的ドラマを見せる事よりも、極限の場面を見せる事の方に力が注がれています。
なので、それぞれの人物の深いドラマ性を期待せず、
単純に手に汗握るパニックの数々のシチュエーションを楽しむのが一番です。
機転がきくヒーローがいて、足を引っ張る取り乱す者がいるのはお決まりですね。
ただ、「この人が主人公=主人公は生き残る」の法則が破られているのは以外性がありました。
目新しい人物設定は無くても、それをしのぐだけの緊迫感はあります。

丁度「Limit of Love 海猿」を観たばかりなので
45Mをもぐるシーンでは<30Mだった海猿より深いぞ~>って感じで、かなりドキドキしました。
何度か潜るシーンがあるんですが「海猿」を観た時にはしなかった『息止め』、自分も一緒になってやっちゃいました(^_^;)
きっと同じような人が多いと思います。
それだけこの作品には緊迫感があり、スクリーンの世界に引き込まれてしまうのです。

この迫力は是非とも映画館で体感して欲しいです。
観て損はありません。見応えのある1本です。

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公式サイト  http://wwws.warnerbros.co.jp/poseidon/

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「綴り字のシーズン」
あらすじ…宗教学者のソール(リチャード・ギア)は積極的に家事をこなし息子とクラシック音楽を奏でる良き夫であり父であると自負していた。ある日11歳の娘イライザ(フローラ・クロス)がスペリング・コンテストで地区代表になる。その才能を開花させて以来、特別な力があると信じるソールは、全米大会へと勝ち進んで行く娘の能力に夢中になる。平和だった家族の絆がほころび始め、その責任が自分にあると感じたフローラは・・・

始めは息子に対して思い入れが強かった父親が、娘のスペリングコンテスト地区大会優勝で垣間見せた出来事に才能を感じ娘に傾倒していきます。
イライザは単にスペリングに長けているだけではなく、
まったく知らない言葉に対しても、その意味と語源を聞いただけで、
そのスペルを探り出すと言う特殊な能力を秘めていました。
ソールはその類まれなる才能で自分が紐解く事が出来なかった
神秘主義の経典の秘密を探り出せるのではと期待もし、
スペリングコンテストにやっきになっていきます。

自分の子供に才能があると思ったら、親は誰でもその才能を伸ばそうとすると思います。
ソールはイライザに傾倒こそすれ、
息子や妻を放ったらかしにしていたわけではなく、
妻より先に帰り家族の為に料理もするし、息子の音楽の練習にも付きあってあげていました。
そこに家族を放任した無責任さは見受けられません。
だからソールに対して息子や妻が孤独を感じる・・という設定には残念ながら納得できません。

アイススケート、サッカー、野球、ピアノ・・・なんでも才能を伸ばそうと親は力を注ぐでしょう。
才能があると信じたら親はその子の為に自分の時間を惜しまず使うのです。
妻の問題はスペリングコンテストが発端で始まったわけではなく、
もっと以前からのトラウマです。
息子にしてみても宗教への入信は、女性との出逢いがきっかけであり、入信も自分が選んだ事。
父親のせいにするのはちょっとおかしいのでは。
この二人の苦悩の描き方がスペリングコンテストとうまく絡んでいないのはミスだと思います。

イライザがスペルを言葉にする時の映像がファンタジックで美しく、
その神秘性がうまく表現できていただけに
肝心のストーリー性に共感できなかったのが勿体無く思われます。


たった一文字が家族を救う

イライザの決断は健気で愛らしいです。
でも、窮地に陥らせたのが彼女の責任では全く無いだけに
ラストには逆にガッカリで、感動はできませんでした。


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公式サイト   http://www.foxjapan.com/movies/beeseason/
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「ザスーラ」
あらすじ…兄のウォルター(ジョッシュ・ハッチャーソン)と弟のダニー(ジョナ・ボボ)は、いつもケンカばかり。ある日ダニーは、ワォルターに閉じ込められた地下室で “ザスーラ”と書かれたふるいボードゲームを見つける。ルールも読まずにゲームを始めてしまった瞬間、家の中に大量の流星群が降ってきた。玄関を開けると家はまるごと宇宙空間に放り出されてしまっていた!説明を読み直してゴールしなければ元に戻らないと悟った2人はゲームを続けるのだが、予測不能な危険の連続が待ち受けているのだった。

「ジュマンジ」から早10年が経っているのですね。
「ザスーラ」がその続編と知れば誰もがこの作品に期待するのでしょう。
ポップなイントロからはじまり、このゲームがスペースアドベンチャーゲームなのだとわかります。

映像はかなりの迫力で、扉を開けた時に映る宇宙空間は幻想的で迫力もあり美しいです。
ネジを回し、「GO」のボタンを押して宇宙船がコマを進んで止まると
カードが一枚飛び出して来ます。
このカードが出てくる時はなかなかドキドキさせてくれます。
次に何が起きるのかわからないスリル感がこの作品の醍醐味です。

<ロボットが壊れる>というカードが出てきて
小さいロボットがチョコチョコ歩いて来る・・・なーんだって思ってると見る見る巨大化して兄弟を襲ってくる。
エイリアンが砲撃してくると思えば、家にも侵入してくるし、
そのグロテスクな姿は恐竜映画を観ているくらいよくできていました。

最初は単にゲームの流れで登場したと思えた宇宙飛行士に
あんなペーソスが加えられていたとは思いも掛けず、あそこは良かったですね。深く考えてしまうとツッコミどころではあるものの、
兄弟愛をわかりやすく見せています。
お姉ちゃんとの絡みかなり笑えました。

大人的感覚で細部を見ると、この作品にはちょっとしたアメリカ社会が今が見え隠れしていることに気付きます。
兄弟の両親は離婚しています。大きな娘が1人いてかつては家族で住むはずだった家に1人暮らし。
父親は子供達たちは可愛いものの、仕事が忙しく少し持て余し気味です。
兄弟は父親と母親の間を数日ずつ行き来しているのでした。
子供達はその事を大して苦に思っている風でもなく、
そう言うものだと現実的にとらえている所が伺えます。
家族向けの映画の背景でありながら、それはいともありふれた光景として描かれている所が今のアメリカなのかなと感じました。

何はさて置き、こうした作品はあまり深く考えずに観賞するのが一番ですね。
最後はめでたしめでたしとわかっていても、ハラハラさせるのが上手な仕上がりで、次回作も大いに期待します。面白かったです。

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公式サイト  http://www.sonypictures.jp/homevideo/zathura/index.html
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「LIMIT OF LOVE 海猿」
あらすじ…海上保安官である仙崎大輔(伊藤英明)が潜水士となって早2年が経ち、現在は異動先の鹿児島第十管区で機動救難隊員として海難救助の最前線で働いていた。恋人の伊沢環菜(加藤あい)とは遠距離恋愛が続いていた。そんなある日、鹿児島沖3キロの海上で乗客620名を乗せた大型フェリー船の座礁事故が発生する。すぐさまバディの吉岡哲也(佐藤隆太)と現場へ駆けつける。乗客をほぼ非難させたかに見えたが、妊娠5ヶ月の本間恵(大塚寧々)と海老原真一(吹越満)を救助中に大きな火災爆発が歯発生。4人は逃げ場の無い一室に閉じ込められてしまう。

2004年に劇場公開された「海猿」。その後の続編としてTVドラマ「海猿 EVOLUTION」が放映されました。
そして今度TVドラマを引き継いで公開されたのがこの「LIMIT OF LOVE 海猿」です。

TVドラマでも予算をつぎ込んで丁寧に作りこまれており、目を見張ったのですが、今回も迫力シーンが多く、邦画としては異例のスケールを感じました。
作品内容としても主人公の成長と活躍を順序正しく追い、環菜との恋愛の行く末を絡めながら描いており、当初から作品を観てきている者たちの期待を裏切らない内容になっていました。

仙崎は環菜を愛していながら結婚へのステップに躊躇していました。
それは海難事故で同時に2人を助けなければならないと言う事態に陥った時に、1人の手を離してしまい救えなかった事に対する自責の念からでした。
仙崎は「海上保安官」という責任を肩に重く背負っていたのでした。
中途半端なままで愛する人を守る事ができるのだろうか・・と。

仕事に自信が持てなくちゃ愛する人も守れない・・。この感情、男性には共感できるものなのでしょう。女性からすればそれとこれとは話が別じゃないと思う事なんですけどね。
女性ならばそういう思いでいる彼をそばで支えたいと思うのだけど・・・。
仙崎は苦悶している時に命を危険にさらす事態に直面して、
環菜への想いを再確認していくことになります。

この作品で一番良かったと思えた点は、
仙崎は人を助ける為に命を張るタフなヒーローなんだけれど、
そんな彼もまた助けられる立場になる点です。
「ヒーローは何処までもかっこよく、タフガイで、どん底からも自力で這い出してくる」・・そんなありがちなパターンを敢えて崩して、
自分の限界を知り、自分も助けてもらう立場になる事で命の重さをより明確にしている所がリアルに感じました。
そして海上保安官を始めとして、救難作業にあたる者たちが皆、
「人を救う為に自分があるんだ」という信念を貫いている・・そんな海保のメッセージもしっかり前面に出しています。

思った以上に気持ちに訴えてくる出来になっていて楽しめました。
これでFINALと思うと惜しいくらいです。

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「海を飛ぶ夢」
あらすじ…19歳でノルウェー船のクルーとなり、世界中の国々を旅してまわったラモン・サンペドロ(ハビエル・バルデム)。 だが6年後、皮肉にも同じ海で起きた事故により四肢麻痺の障害を負ってしまう。26年間をベッドの上で過ごした彼は自ら命を絶つ決断をする。人権支援団体で働くジェネ(クララ・セグラ)は、ラモンの死を合法にするため、弁護士のフリア(ベレン・ルエダ)の協力を仰ぐ。法廷へ出る準備を進め、ラモンの話を聞くうちに、フリアは強く彼に惹かれていった。ある日フリアは、ラモンの家で発作に倒れる。不治の病に冒されたフリアは、やがて自らも死を望み、ラモンの死を手伝う約束をする。そしてまた、ラモンの出演番組を観たロサ(ロラ・ドゥエニャス)が彼の元を訪ねて来る。

「尊厳死」という重いテーマなのですが、印象に残っているは窓の外に想いを馳せ空を滑空するとても美しいシーンです。

その先には、彼の人生の起点となった海へと繋がっている。
そこには愛する女性が海辺を散歩していて、そのそばに降りたち言うのです。
「海辺に散歩に出たと聞いたから空を飛んできたよ。」
愛する人への想いが込められたこのシーンがとても好きです。

ラモンには本当に彼を愛している家族がいます。
死を望むラモンを強く批判する兄も、
親身に世話をしてラモンの一番近くにいるからこそラモンの気持ちがわかり、死を選んだ彼の意思を尊重したいと思う義理姉も。
尊厳死の意味が今ひとつピンとこない甥、
息子の信念を言葉少なに見守る老いた父も
形は違うけれど彼らには共通した家族愛があります。

この家族の感情の描写は、そのまま世論の分かれる考え方であり、
また作者(監督)が問題定義の選択肢として提示している形でもあるような気がします。

「愛しているのなら相手の意思を尊重するはず」
と死の手伝いを申し出たフリマに愛の存在を感じたラモン。
フリマも不治の病に侵されて、その想いは同じだと確信した後の裏切り。
ラモンにとってはとても辛く哀しいのですが、
フリマが伴侶の為に生きる決意をした事も自由な選択。
それを非難できない事がまた哀しいです。

「夜がくるまえに」から注目していたハビエル・バルデムの演技が素晴らしく、実年齢より20歳以上の役をここまで自然に演じきった事に脱帽です。彼に年齢というギャップは全くないのです。

「尊厳死」のテーマを考えさせながら、悶々と訴えるのではなく、
彼の愛と彼を取り巻く人々のドラマとして描き、
観た後に重さを残し過ぎないところがいいと思います。

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「ティム・バートンのコープスブライド」
あらすじ…19世紀のヨーロッパ。成金夫婦の気弱な一人息子のビクターは落ちぶれた貴族の娘ビクトリアとの結婚式を明日に控えていた。つまり、この結婚は政略結婚。まだ顔すら合わせた事が無く気が進まない2人だったが出会った途端、互いに好意を抱く。その日ビクターは式のリハーサルで誓いの言葉ををこなすことができず、暗い森でひとり練習することに。完璧に誓いの言葉を言い、小枝に指輪をはめた。とその時、地中から死体が蘇った。小枝だと思ったのは死体の花嫁=コープス ブライドの細い指だったのだ!

ティム・バートンの独特のキャクターで描かれるアニメです。
そのホラーチックなキャラクターは、鑑賞前は怪奇的に思えますが、
鑑賞後にはハートフルになるラブ・ファンタジーです。

魚の缶詰業で成金になったバン・ドート夫妻。今や二人にとって無いものは「上流階級」というポジション。
片やエバーグロット夫妻は品格こそあるものの、破産寸前の貴族。
お互いが息子、娘を利用して無いものを手に入れようと結婚させようとしているのでした。
そんな生者の世界をモノクロに。
逆に何物にも縛られない死者の世界をカラフルに彩り、本来(?)の色を逆にする事で2つの世界を象徴的に描いている所がティム・バートン的です。

彼の作品は主人公もさることながら、周りのキャラクターが個性派揃いで魅力的なのも特徴と言えます。
「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」でジャック、サリーという主人公だけじゃなく、脇役の幽霊犬ゼロや、吸血鬼ブラザーズなどパンプキンタウンの住人で自分の好きなキャラを持っているファンも多い筈。
「コープスブライド」でも、骨犬、セーラー姿の死者の国の男の子(お気に入りです)など、印象的なキャクターが多く存在しています。

85にも及ぶこうしたキャラクター達の存在が丁寧に作られ、
しかもストップ・モーション(ひとコマごとにフィルムを作る撮影法)という古くからの技法で撮られているのですから途方もない作業です。

一見おぞましいキャクター達もストーリーが進むにつれ、
それぞれ俳優が演じているように感じられ、
血が通ったキャラクターに見えてくる・・それがティム・バートンマジックたるところでしょう。

こういうキャラクターだからこそ出せるブラックユーモアがいい味付けとなって、本作は「クスリと笑え」「ホロリとする」大人にも楽しめるアニメになっているのだと思います。

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「陽気なギャングが地球を回す」
あらすじ…嘘をついている人間を瞬時に見抜いてしまう、成瀬(大沢たかお)。常に体内で正確な時計が回っている、雪子(鈴木京香)。人間よりも動物の生き方に共感しているスリの天才、久遠(松田翔太)。そして、しゃべることにかけては右に出る者がいない演説の達人、響野(佐藤浩市)。たまたまい合わせた銀行で見事な連携で強盗を捕まえてしまった4人。「この4人なら、もっとうまくやれる!」と前代未聞のギャングチームが結成された。完璧な計画で、4人は何度も成功を収めてきたが、ある日覆面をかぶった4人組の謎の強盗に強奪した大金を奪われてしまう。

伊坂幸太郎の同名傑作小説の映画化です。
2003年に刊行される読者から映画化の要望が殺到する程の話題沸騰の作品。

人並み外れた才能を持った4人が、その技能を駆使して銀行強盗をします。
ドライビングテクニックも抜群の雪子は逃走の名人だし、
ド派手な衣装で人質たちの前で宣言どおりぴったりに演説をまくし立て注意をひきつける響野。
嘘を見破る才能で金庫の鍵を探しあてる成瀬。
瞬時に擦って見せる若き天才スリ久遠。
個性的な面々がギャングとなるのだから一癖も二癖もあって当然。

大金を奪うだけでなくロマンを求める彼らが、
逆に大金を奪われたことから歯車が狂って・・・。

原作は読んでいないのですが人気が高い小説と言う事は知っていたので、映画作品にはそれなり期待を込めていました。
役者の面々も個性的でかなりにグレードの顔ぶれです。

けれど面白さが伝わってくることはありませんでした。
明るくてもコメディとしての笑いは無かったし、
ギャングものとしてもワクワクするような展開もありませんでした。
どっち付かずで、二兎を追って一兎をも得ずになってしまいました。

それでなくても邦画ということだけでこの手の作品を観る時には
厳しい評価になってしまうものです。
それは小説と言う自分が作り上げる想像の世界では「別世界」として違和感が無くても、
映像として示されると役者が日本人と言う事だけで「リアル」になってしまい、現実世界に馴染ませようと意識せずしてしてしまうからです。
だから、作りすぎた笑いは逆に笑えなくなるし、
奇想天外な設定も、あまりにもありえなく感じてしまうのです。
それが邦画コメディの弱点だと感じます。

ラストの発砲の逆回しは全く理解できません。
小説を読めば理解できる部分なのでしょうか。

この作品で映画デビューした松田翔太(故松田優作の次男)は初々しく存在を示すのに成功しましたが、
他の名が通った俳優陣が力演するほど作品そのものが浮いた物になってしまったのが皮肉です。

お金を払って映画館に足を運んだ小説ファンが果たしてこの映画作品に納得してくれるかどうか・・・と思うと冷や汗ものです。

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「GOAL!」
あらすじ…サンティアゴ(クノ・ベッカー)は、メキシコから米国へと一家で不法入国して、ロスに暮らす20歳の青年だった。昼は父と共に庭師として働き、夜もアルバイトをして、ある目的の為にお金を貯めていた。彼は密かにプロ選手を夢見ていたのだ。地元サッカーチームでプレーをしている時スカウトにその才能を見出される。男は、彼にロンドンへ行き、プロテストを受けるよう、強く薦める。しかし父親は、息子と事業を始める事を切望しており猛反対するのだった。サンティエゴは、反対を押し切って、<ニューカッスル・ユナイテッド>を目指す。

夢は叶える為に追うもの。
苦しいし挫折もつきもの。
けれどその壁を越えられた者のみ<成功者>となる。


スポーツサクセスストーリーです。
サッカーの作品は今までにもありますが、「GOAL!」は映画史上初のFIFA(国際サッカー連盟)公認作品です。
1人の若者が世界最高峰のプレイヤーに成長するまでを描いた3部作で、

この第1部は、プロのサッカー選手にな夢を追うサンティエゴが、運命に導かれイングランドプレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドのプロテストを受け、やがてトップリーグで試合に出るまでの苦闘を描いています。
第2部はレアルマドリード編、第3部は実際のワールドカップが舞台となるようで、今後のその迫力、臨場感はお墨付きと言えます。

親の反対、苦境、そして成功へ・・
スポーツ作品の正統派でありとても内容は素直です。
本作のラストに向かう下りも『こうあって欲しい』と思う観る者の想いそのままに展開されていきます。
ラッキーな展開が続き、捻りがあるわけではありません。
でもそうわかっていても感動してしまいます。
<素直な展開>、それでいいのだと思います。

ベッカムやジタン、ラウールが出演(次作にはロナウドも出演)します。彼らのファンには嬉しいサービスですね。それが大した事の無いちょっとした役どころであっても(笑)
でも次では彼らの実際の技が見れそうなので今回は辛抱しておきましょう。
試合風景はダラダラせずテンポがいいので
サッカーや「フォワード」とか「ミッドフィルダー」とかの
サッカー用語がいまひとつわからない者でも違和感なく楽しめます。

まるで実際に観戦しているような気分になるほど迫力がありスクリーンに引きつけられました。

家族との絆の描き方にはもうひと声欲しいとも感じましたが、
祖母と弟が酒場で観戦している時に店に居た者に投げかけられる言葉には誰しもがグッと来るのではないでしょうか。

サッカー作品の連作は初の試み。
第2部、第3部と主人公がどんな風にその才能を発揮させていくのか楽しみです。

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「ポゼッション」
あらすじ…歴史と伝統を誇る、ヘルスタッド高校。レベッカという女生徒が、屋上から身を投げて自らの命を絶った。一年後サラは、高校に伝わる"湖の幽霊"について論文を書こうと調べていた。百年前に起きた事件の幽霊伝説である。サラは当時の犯人の一人が元恋人モンスのであるワイン一族の男だったことを知る。その頃、精神病院に収容されていたレベッカの父親が脱走。創立百周年記念日の夜、学生たちが謎の殺人鬼の手で次々と殺されてゆく。

スウェーデン製作の劇場未公開スリラーです。

百年前、娘を殺し、その後ヘルスタッド校の男子学生を3人殺して自らも消息をたった男。結局その遺体は発見されなかったため、幽霊伝説として今に残ったのでした。
しかもその男の家族が当時住んでいた家屋が高校の敷地内にあるのです。
けれど真相は・・・。
この真相は男の日記を見つけた事であっけなくわかります。

そして1年前の女子高生の自殺。
校長を始め、学生たちの目前でその事件は起こります。

100年前の事件と1年前の事件の絡みという形は悪くないのだけど、
その繋がりには無理がありました。
重い事件性を示している割に、その事件に迫るようなリアルさがなく
100年前の父親の悔しさとか、自殺したレベッカの追い込まれた状況も見えてきません。
ただそう言う事があったという程度に留まってしまっています。

赴任して来た教師もその存在の必要性を感じさせないキャラです。
もっとなにかに絡んでくるかと思ったのに
思い切り肩透かしでした。

犯人にとってサラがどういう人物であり、いじめにも加担していない事はわかっているはずなのに、
なぜサラを殺そうと追いかけてくるのか理解に苦しみます。

犯人の目くらましの為に100年前の事件を持ち出し
スリラーに仕立てたのだとしたらまったく意味がありませんでした。

2つの事件性が咬み合っておらず
スリラー性もありません。
意外性も薄いです。

未公開映画・・には納得の作品

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「プリズン・ブレイク」
あらすじ…ある陰謀のために、無実の罪で死刑になる兄リンカーン・バローズ(ドニミク・パーセル)。
正規のやり方では無実の罪で死刑にされる兄を救えない、と悟ったマイケル・スコフィールド(ウェントワース・ミラー)が、無謀にも自ら罪を犯し兄のいる刑務所へ送られるように仕向ける。完璧な計画を全身のタトゥーに秘めた緻密かつ大胆な脱獄計画。彼に与えられた時間は、わずか30日。


刑務所物は好きなのでこれは予告編を観た時から注目していました。
始め、連ドラとは知らなかったのだけれど、逆に連ドラである事でよりストーリーの緻密さがうかがえ期待が膨らみます。

まだ第1話しか見ていませんが、
ストーリーがわかりやすいぶん、同じスピードのある展開ではあるけれど「24」を上回る人気が出るのでは。
ほら「24」って、観ている時はすごく引き込まれるんだけど、
どんどん展開が変わり過ぎて観た後はストーリーを思い出すのってちょっと至難ですよね。
それが本作は刑務所内での脱獄劇と、外での陰謀を解いて行く2ヶ所の基点がありながら、主旨が一貫しているのでわかり易そうです。
「24」シリーズのようにタイムリミットをつけて緊迫感を持てせているのもいいです。

一見してはわからない全身に彫られた「建物の見取り図(設計図)」のタトゥー。
それがこれからいろんな場面で使われていくのだろうと思うとワクワクしますね。
綿密な計画をもって入所したマイケルですが、
周りは凶悪犯ぞろい、計画が崩れるハプニングも多々起きていくのでしょう。

ブラッド・ベリック刑務長はすでにマイケルに目をつけているし、
PI(刑務作業)を取り仕切るマフィアの幹部ジョンも、
今回手中に納めたかに見えても目が離せない人物になっていくのは間違いでしょう。
こういう個性的な人物が多いのも本作の魅力です。

マイケル役ウェントワース・ミラーは「24」のチェイス役バッジ・デイルに良く似ていますね。予告編では何度も同一人物か?と凝視した位そっくりさん。
でもウェントの方が美系です。

第2話の監督は「24」の監督なのでまたテンポある展開が期待できます。
5月11日が待ち遠しいです。

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今後のストーリー情報も載っています
公式サイト  http://www.foxjapan.com/dvd-video/tv/prisonbreak/index_frames.html

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